エアガッツ

〜SECOND WAY〜
メジロライアンが好きな私にとって、彼の産駒も当然応援対象。
その中で、メジロライアン初年度産駒の一頭、エアガッツは何とももどかしくていつもやきもき・・・父親を見ていた時と同じ気持ち・・・いやそれ以上の精神状態だった。
97年のラジオたんぱ賞を勝った時はそれはそれは大喜びした。
そして通算32戦5勝の後、2000年の11月9日オーロカップを最後に引退。
その後は、管理されていた栗田博憲調教師の母校でもある日本獣医畜産大学の馬術部で乗用馬として第二の馬生を歩む事になった。
エアガッツが引退してから2年・・・彼の第二の活躍場所にお邪魔させて頂く事に!
本来は大学校舎の近くに厩舎があるのだそうだが、厩舎改修工事の為にこれまたスタンド改修工事でしばらく開催のない東京競馬場の厩舎に仮住まいをしているとの事。
さて、いよいよエアガッツとのご対面!
現役時はメンコをしていた為になかなか見れなかった素顔を近くで目にして、横顔が何とも父親であるメジロライアンに似ているな・・・と感じたりした。
担当の学生の方のお話では、来たばかりの時はやんちゃで、馬場のすぐ横を通る電車に驚くばかりで大変だったという。
今ではそれにもすっかり慣れて、初心者の学生さんを背にする事もあるそうだ。
やんちゃなイメージが強かった彼も、いつの間にかドン臭い・・・?おっとりしたタイプになっていたらしい。
歩様が大きくて、良い動きをするので乗り味は最高との事!
そして、何とも奇遇な事にこの後、現役時に騎乗していた柴田大知騎手が会いに来ると聞いて、ご本人とちょっとした面識があった私は、大知騎手が来るのを一緒に待たせて頂く事になった。
しばらくして、到着した大知騎手はガッツの前に立ち、とても懐かしそうに見つめながら担当の方と談笑。
それまで、大人しかったガッツは大知騎手が来た途端、はしゃぐかの様に身体を左右に振ったり、頭を揺らしたり・・・。
ふと気づくと、その光景をじ〜っと見つめる馬が一頭・・・。
その馬の名前はヤマニンサイクロン。
どうやらヤマニンサイクロンは現役時にゲート試験で何度も大知騎手を手こずらせたそうで・・・。
思いがけずの出会いにその場の雰囲気が更に和やかになったのを感じた。
そのサイクロンも今では馬術部の障害部門のエースなのだそうだ。
そんな2頭の大知騎手に対する行動を見て、はっきりとは覚えていなくても、騎手の持つ雰囲気を感じたのかな?と思ったりした。
馬はそれ程記憶力はないと言われるけれど、私達人間には感じる事の出来ない何かを感じ取れるんじゃないか?と思わせられる様な事が今までに何度もあった。
その後、久々に大知騎手はガッツに騎乗!
馬に乗る事が仕事の彼が騎乗前にこぼした「緊張するなぁ〜」には、ガッツへの思い入れの強さを感じたりした。
現役時を思い出し、返し馬をするかの様に軽い足取りでキャンターをする一人と一頭の姿に気持ちが緩やかになった。
騎乗後にお話を伺うと・・・。
「すっかり乗用馬の体型になって、落ち着いたみたいだけど乗った雰囲気は変わらないですね。首が高いのも変わってないみたいですね・・・(笑)」との事。
いつまでも首筋を撫でる大知騎手を見て、仕事上馬に対してクールでいなければならない騎手でも裏では強い愛情を持って馬に接しているんだな・・・と改めて感じさせられた。
担当の方を初め、部員の方々にも可愛がられて、とても雰囲気の良い中で第二の道を歩くエアガッツは幸せな馬の形の一つだと思う。
もっともっと多くの馬が幸せになれると良いな・・・と再度、強く思った。
さて、そのエアガッツ・・・その後何度か障害競技の試合に出場したそうだが最初は力みすぎて力を発揮できなかったり、青い色の障害を嫌ったり・・・なかなか上手くいかなかったそうだ・・・。
それでも学生の方達は決して諦めず、努力という愛情で何とか無事に完走出来る様にまでなったという。
何年後かには、大きな馬術大会でエアガッツの名前を目に・・・耳にする日が来るだろう。
どうかその時は現役の時みたいにやきもきさせてくれるな!と耳に囁きかけたくなったりした(笑)

◆右上の写真は柴田大知騎手ご本人の了解を頂いた上で掲載させて頂きました。



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